いじめを乗り越えて人生を幸せに生きるための方法

いじめ体験、その後遺症をどう乗り越えてきたか、人生を幸せに生き直すためのコツを紹介しています。

被害妄想の世界とは

私がまだ10代の思春期という多感な時期に、
自分が社会から受け入れられない存在、愛されずに嫌われる存在なんだという思いを
自らの心に強烈に刻み込んでしまいました。

 

身近な周囲の人間関係や環境などを通して、自分とはどういう存在なのかを知り、
それを形成していく過程において、

 

「世の中の人は私を受け入れてはくれない」

 

と思い込んでしまったことは悲劇だったとも思いました。

 

当時、私を受け入れてくれる人たちとも出会っていましたが、
圧倒的に拒否する人たちの方が多いのだと知ることになりました。

 

皮肉にも刷り込みに最適な時期において、
自分に対する周囲の反応というものを嫌という程見せつけられる形となってしまいました。

 

実は、私は学校に行って出会う先生や生徒だけでなく、
通学途中で出会う見知らぬ人たちからも差別的な言葉を投げかけられたり、
態度によってそれを示されていました。

 

学校へ行っている間だけいじめられたり、差別されるのならまだしも、
それ以外の日常的な場面でも似たようなことが起こっていました。

 

一歩家の外へ出れば、すれ違う人から好奇な目で見られ、
いつも注視されていると感じていました。

 

そういった悪口や視線は片時も私の日常から離れることはありませんでした。

 

家族は当時、そういった私の感じ方を、
「被害妄想だから、気にすることない。誰もそんなに見ていない。」
と言って慰めてくれましたが、
私はすでに被害妄想の世界に捕らわれていたので、
「これは被害妄想なんかじゃない。すべて現実にあることなんだよ。」
と内心思っていました。

 

そして、家族から何度もその言葉をかけられても全く信じることができず、
それを受け入れませんでした。

 

さらに、私はその言葉を言われる度に、
「誰も私の気持ちなんかわからない。信じてくれないんだ。」と一人悲しい気持ちにもなっていました。

 

そして、「実際に見たり、聞いたりしていないから、平気でそんなことが言えるんだ。」と反対にすねて、
自分の信じることが絶対に正しいんだとより一層強く思い込んでいきました。

 

当時の自分を振り返ると、
確かにわざと聞こえるように悪口を言われることもありましたが、その中のいくつかは被害妄想であったのかもしれないと思いました。

 

例えば、他者の会話に聞き耳を立てて、その言葉の端々を拾ってきては、
自分の悪口を言っているのだと感じ、そう思い込んでいました。

 

特に、「気持ち悪い」などといった特定のワードに対して
反射的に強く反応を示していました。

 

その言葉がちょっとでも聞こえるたびに、
すぐに「あっ、私の悪口を言っている!」と判断していました。

 

もしかしたら普通に具合が悪いという意味で
「気持ち悪い」という言葉を使っていたかもしれないし、
会話の内容をすべては聞き取れていなかったので、
別のものに対してのそのような言葉を使った可能性も十分にありました。

 

つまり、確実にそれが私に対して向けられた言葉だったとは限りませんでした。

 

それなのに、そういった言葉を拾うアンテナのようなものができあがっていて、
必要以上にそれを自分に対して向けられた言葉だと受け取り、
過敏に反応してしまっていたように思いました。

 

本当は自分に関係ないことさえも、自分に関係があるかのように思い込んでしまう、
苦しみをわざわざ拾いに行って自らに与えるようなことをしていました。

 

また、〝地獄耳〟という言葉があるように、
誰かが遠いところで話していても、
それが私に対する悪口だと不思議と聞こえてくるということがありました。

 

私に対することが言われ始めると、
それまで私の近くで聞こえていた周囲の音がなぜか突然小さくなり、
遠くで話されている私に対する悪口だけがピンポイントではっきりと浮かび上がって聞こえてきました。

 

今でもあの当時の独特の体験を不思議な現象だと思っていますが、
それはおそらく自分の悪口に対してとても敏感になり過ぎていたせいで、
自分で妄想、幻聴として創り上げたのかもしれませんし、
脳が一時的に勘違いしていたという見方もできるのかもしれません。

 

そのため、自分が意識するしないに関わらず、
そしてそれが現実に起こっているかどうかに関係なく、
悪口はいつも自動的に私の耳に入ってきているような状態でした。

 

もしそうだったとするなら、
そういった一つ一つのことが被害妄想であったのかもしれないと思いました。

 

ただ、その当時の私にはそれが実は自分が創造した妄想の世界でもあるということに気づかず、それ以外に別の現実があるなどとはいうことが全く想像できない状態になっていました。

 

むしろ、自分の信じている世界、現実を他者に否定されると、
腹を立てたりするようなそんな状態だったように思いました。

 

私はすごく狭い視野の世界に自らを閉じ込めていて、
自分で自分を苦しめるような環境に身を置いていたように思いました。

 

私が体験した被害妄想の世界とはそのような世界でした。